PTD ON STAGEに寄せて
10月24日。
PERMISSION TO DANCE ON STAGE。
コロナ禍で開催されたBTSのオンラインライブストリーミング。
もちろん楽しみにしてたし、楽しかったけど、ただそれだけじゃないものがそこにはあった。
私たちファンはアイドルに対して、こうあって欲しい、こうであるべきだと意識することもなく心のどこかで思ってるところがある。
だけど、当たり前のことだけど、アイドルが自分の意志で自分らしく生きることを否定する権利は私たちにはない。
その当たり前のことを私たちは時々忘れる。
「So what」
グクが言う。
自分のことをあまり好きではない人たちに向かって。
어쩌라고!
だから何だと。
伊坂幸太郎の「逆ソクラテス」という本に、「僕は、そうは思わない」という台詞がある。急にその台詞が思い起こされた。
それは、何事に対しても決めかかってくる先生に対してとある生徒が放つ言葉。
「お前、それお世辞だからな」
僕は、そうは、思いません。
私は通りすがりの誰かに自分をジャッジされたくない。私が私でいることは私が決めること。
私が思うのは「グク、よく言った!」でも「(文句を言ったファンに)ざまあみろ」でもなく、グクにとってそういうことを言える場所があって良かったということ。
ヒョンたちが穏やかに見守る中で自分の胸の裡を発せたこと。その関係性に震える。
コンサートの終盤、振り返るメントの時にリーダーであるナムさんは言う。
「辛かった」
コロナ禍でファンも誰もいない中でコンサートをやるモチベーションに持っていくこと、その辛さを彼は語る。
「楽しくなかった」
テテは言う。直前に膝を痛めてしまい、思うようなパフォーマンスができなかったから。
私はハッとする。
アイドルのコンサートのMCなんて、ひたすらに明るくて前向きなことしか言わないものだと思っていた。ネガティブなことなんてファンを前に言うはずがないと。
私もどこかで彼らを自分の軸で判断していた。
彼らがあの場でネガティブな発言をしたことで、どこかの誰かが救われる。どうしようもないネガティブな感情を持て余す日もある。そういう日の私もどこかで誰かが赦してくれるんだと。
彼らの素晴らしいところは、その発言をする隣に頭にリボンをつけたジンくんがいることであり、おどけて話すユンギがいることであり、明るい笑顔で肩を叩いてくれるホビがいることであり、穏やかに語りかけるジミンがいること。そのバランスが、7人でいることが本当に何にも替え難い尊いものだと心の底から思った。
他の誰かが弱ってる時はまた他の誰かがそれを側で支えている。そんな7人が今日も眩しい。
Love myself、Love yourselfと彼らは言う。私自身を愛すること、見るもの、聞くもの、触れるものを愛おしく思うこと。彼らに出会ってひとつひとつが本当に大切なものに思えてくる。何気ない日常が輝く。そして、隣にいる誰かのことも大切にしようと思える。
本当に防弾少年団のことを好きになって良かった。そして私はただひたすらに彼らの幸せを祈って呟く。ありがとう。
We don't need permission to be ourselves!!!